ギリギリですが一日小話です。。
先日めでたくプラチナが殿堂入りしまして(やっと)、
今回は勝手にその記念のシロナとヒカリ(→ジュン)です。
ゲームではライバル×ヒロインをガン押しなわたしですが、
アニメのジュンヒカにはあまり今のところ食指が動きません。
非常にオサレなカップルだろうなとはおもいます^^ ミーハーどもめ!(褒め言葉
うちのゲームジュンヒカヒロインは割と暗い子なので、
どうしてもシリアスな空気が漂ってしまうのはわたしの悪い癖ですね。
あと今のところゲンヒカのヒロインとも同じ子(つまりうちのゲンヒカはジュンヒカ前提)なのもちょっと考えものです。
ちょっとサイト傾向というか設定を見直してみようとおもう。
あ、ブレないのはシュウハルですかね。
この二人だけ別世界ですねもはや!
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チャンピオン。
その肩書きは頂点を意味する。
「お見事……シンオウ地方の新しいチャンピオンの誕生ね」
シンオウポケモンリーグのチャンピオンたるシロナをたった今倒し、
彼女からチャンピオンの称号を譲り受けるはずの少女はしかし、
「いいえ、わたし、チャンピオンにはなりません。
辞退することもできるんですよね?」
勝利の喜びを表情に滲ませながらもそんなことを口走り、
目前の女性に、鳩が豆鉄砲を食らったような顔をさせたのだった。
「…………どうして? あなたは私に勝ったのよ。
チャンピオンにならないってどういうこと?」
決して厳しい口調ではないもののそう尋ねるシロナに、
満足げに微笑むばかりで無言を貫く少女。
シロナは小さくため息をつくと、声音をもうひとつ和らげた。
「………………ひとりになるのが、こわいのね」
少女は微笑みを不意に隠して、シロナを見上げた。
柔らかな三角形に小さく開いた口元は、
何かを伝えようと、言葉を探しているようにも見える。
その口元がゆっくりと動き、
「……こわくなんか、ないです。
でも、変わるのは、こわい。
チャンピオンという肩書きを持ったら、
昨日までのわたしと明日からのわたしは、きっと変わってしまう。
チャンピオンになんて、ならなくていいと思ったんです」
眼差しは遠くなった。
少女の両の瞳に映るのが、
幼い頃からの思い出であり且つ現在進行形の関係であることを
薄々感じ取りながら、シロナは告げた。
「……辞退は可能よ。
どうしてもなりたくないというのなら、ランキングの更新だけに留めて
挑戦者を受ける立場としてのチャンピオンにはならないという選択肢があるわ。
……でももし気が変わってやっぱりチャンピオンになりたいと思っても、
そのときはもう一度、挑戦者としてチャンピオンを相手取って戦い、勝たなくてはならない。
…………それでもいいの?」
「はい、構いません。辞退します。
……わたし、やっぱりまだこわいから。
それに、もしまた戦っても、きっと勝ってみせます、シロナさん」
「……そう。わかったわ」
肩書き一つで壊れてしまう関係なら、そんなものなくたって壊れる。
それでも彼女がまだ浸っていたいと言うのなら、その微睡みの時を取り上げるようなことはしたくない。
あなたはもう、一人で立てると思うけれど。
シロナはその一言を飲み込むと、目を細めてみせた。
自分がこの肩書きを背負うことになった瞬間のことを鮮明に思い出しながら。